2018年2月8日木曜日

実際のところ『西京極ウェザー』って何なのだ?

西京極ウェザー

まもなく今年のJリーグも開幕
その前に、長年のモヤモヤを晴らしたい。
ハッキリさせておきたい。
そう、あの謎の『西京極ウェザー』の事です。

「西京極はいつも雨だ。」

「さっきまで晴れてたのに試合中だけ雨だった。」
「西京極から濡れずに帰るのは至難の技。」
などなど...

京都サンガのホーム『西京極』まつわる怪現象。

本当ですか?たまたまじゃないんですか?

J1〜J3全57チーム中、200試合(ホーム100試合以上)をこなしている40チームを対象に、

2012〜2017シーズン全試合の天気を目視・手作業でカウントして様々なランキングを作成して、大多数の人が気にしない事の謎に迫ってしまう!!


①京都で雨が多いだけじゃ?

西京極っていうより、京都の雨が多いだけなんじゃない?
という疑問の解消を目指して、シーズンに対する降水日数の割合を調べちゃうよ。

気象庁の過去データから、全クラブのメインスタジアムの場所の降水日数調査!!
6年分の数字を、オフの12〜2月抜きにした感じで修正。

あれ?京都は雨多くないですね、むしろ少ない方のランク外で11位(笑)

とはいえ、日本海側で雨の日が多い結果は想像通り。

Jリーグの日程に合わせると、1位の富山も30%程度。
年間通してみたら、その富山や新潟はもちろん、入らなかった金沢や秋田なんかも1年の半分近くが雨(雪)という気象条件。
そして、抜いたオフだけを見れば、それらの地域は6〜7割が雨...季節的には雪。
これだけでも、秋春制はそう簡単な話じゃないことがよく分かりますね〜
一方で春秋制に合わせると、富山と、一番少ない広島との差も10%以内に収まってるあたり、うまくできてるなと思いました。

次は、ホームゲームで雨が降る確率ランキング。

今のランキングに併記してある順位ですけど、雨が降る=ホームで雨が多い、というわけにもいかないところが、まあそんな事もあるだろうけど面白い。


西京極のライバルはまさかの...

各チームのホームゲームで雨がどれだけ降るのか?
そして、サンガが雨を呼んでるんじゃ説を調査するためにも、アウェイでの雨天遭遇率、それらを合計した全試合でのランキング!!
これで謎は解けるでしょ。



西京極は5位...アウェイではランク外だし、トータルでもなんとか10位
物足りない、西京極ウェザーってこんなものなの??

そしてまさか、お隣さんのガンバがホーム3位アウェイ8位で、トータル1位。

セレッソもトータルでサンガを凌駕してるし、大阪が強い(笑)
ただ、それぞれの場所としての雨の少なさを考えれば3チームどこも異質。
逆にホームトップの山形は、降水日数24位ですが、山形県の雨の多さを考えれば内陸部とはいえ変でもなく。
あとはまあ、普通のところが入ってますね〜。
鹿島の濃霧はカウントしてますが、千葉の砂嵐はカウントしてません。

雨が少ないところもランキングにしてます。

屋根で雨回避してるとこが上位なのは当然なんですけど、今回の確率出す時に屋内の試合は除いてます。そうしても、当然雨天時に屋根使って回避してるので上位には来ますが。

で、それらのチームや元々雨が少ない場所のチームは置いておいて...

熊本はなんでこんなに雨降らないんでしょう?w
驚異的な、えがお健康スタジアム。
なのに、アウェイでは雨に一番降られているいう悲しさ。
熊本サポだって笑顔で遠征したいのに。

でも、熊本だけでなく、札幌・徳島・愛媛あたりもアウェイこそ降られててツラい。
逆パターンが、アウェイでは降らない新潟・鳥栖。この2チームのサポの皆さんは、遠征を楽しめそう。
大阪の2チームは、ホームでもアウェイでも雨が付いてきてて悲劇、かわいそうw
逆に岐阜ちゃんは、降らないランク両方で地味に入ってるし、雨にやられないのは現地観戦派としてはうらやましい限り。

トータルで見ると、雨を呼ぶことに関してはガンバが完勝だし、3位のセレッソと合わせて、大阪が無敵すぎる。意味がわからないw

西京極ウェザー、あるっちゃあるんだけど、なんか存在感が薄くなってきて...
こんなものなの?もっとできるんじゃない?
と思って、調査中に気になってた事について追加調査します。
名誉回復の機会がくるかも!!


③たぶん正体はアレじゃないかと思った

天気って、晴のち曇とか、晴時々雨みたいな変化を伴うものもありますよね。
なんだか西京極のカウントでは多かった気がしたのでコレです。

いまさら全チーム見るのも疲れちゃうし、それで見えないものが見えるようになっちゃうのも良いかと思ったんですけど、雨が降るスタジアムはもう分かってるのでw
雨の多いスタジアムトップ10の12チーム対象、天気の変化確率、それに雨が絡む確率。

で、西京極は126試合で30回の変化。

だいたい4試合に1回は空が怪しい動きをして、うち半分は雨が絡む。
これでしょ、西京極ウェザーってこれでしょ。
読めない天気、突然の雨、サポ泣かせの西京極ウェザー。

しかしここでも、立ちはだかる万博の壁。カシマも似たようなw

調べてみたら、『万博ウェザー』って言葉があるんですね...
カシマウェザーは見当たらないんですけど、いつか言われるかも。

ところが、万博から吹田にスタジアムが変わった2016以降は雨が減っています。

西京極もこの2年は元気がない。2016はそもそも全国的に少雨傾向でしたが...

このままじゃつまらないので、今年こそはお願いしますw



おまけ・雨に強いとこ弱いとこ

ついでにカウントしてたのが、雨の時の勝点。
まあ勝点どれだけ取ってるかなんて、カテゴリーにも左右されることなので。
これだけみて雨に強い弱いは判断できないけど!!
左が全試合での平均で、その後が雨の時と雨がない時、その差となります。
差がプラスに大きいのが左側、雨に強い方。右側は弱い方ですね。

上位2チームは、仮に全試合が雨だったら結構上位争いをする、屋根で雨を回避できる能力を持った神戸に至っては、毎年優勝争いできるレベルの勝点を雨の中では獲得していますw
もう、屋根は開けっ放しがいいんじゃないでしょうか?

そして右側の雨に弱いランキング。
またもガンバ、ここでもNo.1だったw
これ、同じように仮に全試合雨なら毎年残留争いには絡んでるくらいです。

しかし面白いのが、J2優勝からJ1で3冠達成をした2013〜2014、どちらも年間10試合ずつ雨に降られてて、3冠の2014なんかは全チームの中で最多。
実際その年のリーグ戦で喫した9敗のうち、6敗が雨でした。
たまたまだと思いますが、雨が多い年の方が成績が良いという説もあるかもw

あと、昨シーズン残念ながら降格してしまった2チームが雨に弱い様子です。
グンマちゃんは色々とあった模様ですが、雨も12回と全チーム最多。
天にも...というのは本当にあるんでしょうか?
今年のJ3からの再起、期待してます。鶏めし最高。

甲府は雨に降られないチームの3位ですし、昨年も5回でした。
その5回のうち4回が、終盤戦29〜32節に集中、4試合で勝点1になったのは不運。
その対戦相手には、雨に強いトップ2の新潟・神戸がいたのもまた...
残念でしたが、またJ1でアウェイサポに温かさを感じさせてくれると思いますので。
今季のJ2頑張ってください。J2にいてもほうとうは食べに行きます、ワインもw

最後に、京都は弱い方の...微妙に弱い程度だけど、だめじゃないか...
西京極ウェザーに負けないサッカーを作って、雨を武器にするくらいの...
今年もJ2頑張って、はやくJ1に帰ってきてください。やっぱり伏見で酒だな。

今年も楽しいJリーグになると良いですね!!






2016年5月22日日曜日

炎の大熊清語録

東京を2度のJ1昇格に導き、J2時代に天皇杯も制したレジェンド
のはずが、大宮の不落神話を見事に崩壊させてしまった迷将
そして今、セレッソ大阪で再び伝説を生み出そうとしているのかもしれない、皆に愛される男・大熊清。

監督・大熊清の残してきた言葉を振り返り、その人物像を浅くでもいいので掘り下げたい。


というわけで、調べられる限りでの現存する試合後の監督会見から、彼がどんな言葉を多く用いているのかをカウントしてみました。
 東京・大宮・C大阪でのリーグ、ナビスコ、天皇杯などを合わせて170試合(1999東京は見つからず)
どんな事をこれまでに伝えてきたのか、ドキドキしますね。
珠玉の名言集、スタートです。


10位 <アイデア>...20回
大熊戦術の核とも言える言葉がランクイン。
どんなに膠着した展開でも、アイデアさえあれば打開できる。
みんなでアイデアを出し合って、いいサッカーを作っていこう!!

10位 <運動量>...20回
横浜FC戦のコメントでも登場し、ギリギリ同数で飛び込んだ。
やはり現代サッカーと言えば運動量!!!
走らないヤツは男じゃない、とにかく走ろう!!!







9位 <自信>...21回
自信があるかどうかは凄く重要です。
結果が出ないからといって卑屈になる必要はない。
過信ではなく、自信にしていこう。








8位 <反省>...24回
人生もサッカーも日々反省を怠らない。
自信を持つのも良いけど、過信にはならないように。
反省することはして、同じ過ちは繰り返さない!!!








7位 <修正>...28回
反省をしたら修正。その繰り返し。
勝った試合でも、必ず修正点はある。
真に強いチームを作り上げる道に、終わりはないのだ。








6位 <切り替える>...29回
悪い試合をしてしまっても、切り替えが大事。
ちゃんと切り替えて次頑張ろう。
攻守の切り替えより、気持ちの切り替えだよ!!!







5位 <勇気>...33回
横浜FC戦で4回をカウント、当初よりランクアップ。
やっぱり勇気だよね。
何かを掴み取りたいなら、勇気をもってリスク冒す事も大事。
しかし、そのリスクを理解してないと、勇気ある挑戦は無謀な賭けにしかならないよ!!!







4位 <耐える・我慢>...45回
サッカーでも人生でも、時には我慢が必要。
どんなに良い準備をしても、うまくいかない事はある。
そんな時はじっと耐えて、流れの変化を引き寄せるんだ。
耐えた先に喜びが見える...事もある。







3位 <頑張る>...54回
毎日の頑張りが、局面での頑張りが、拮抗した局面での優劣を決める!!!
苦しいのはみんな同じ、今こそ頑張り時だ。
今日の喜びも悔しさもここに置いていって、また明日から頑張りましょう。
一番頑張ったヤツが勝利を掴む。







2位 <集中>...63回
一瞬でも集中が途切れたらやられるのが勝負の世界。
常に集中して、相手のミスを見逃すな!!!
相手の集中が切れた瞬間を逃さず襲い掛かれ!!!
無の境地に入り込むくらい集中できれば、勝利は目の前だ。






1位 <気持ち・メンタル>...108回
やっぱり最後はメンタル。
勝ちたい気持ちが上回った方が最後に勝つ。
どんな場面でも、気持ちを出してぶつかっていこう。
目の前の相手に負けないというメンタリティがあれば大丈夫だ。
とにかく、何よりも気持ち出していこう!!!





と言うわけで、170回の記者会見において108回と言う、煩悩の数ほども繰り返してきた「気持ち」がNo.1の座に輝きました。

と言うより、分かってはいましたが基本精神論です。
ランクインしなかったものでも、「ひたむき」「気の緩み」「意気込み」など、心の部分に敏感なところは、期待を裏切りませんでした。
日本屈指のモチベーターたる所以ですが、戦術がないと今の時代モチベーションも上がっていかないと思うんですよね...、本来は戦術あっての精神論というか。
おそらく大熊監督は、サッカーを通じて選手たちに悟りを開いて欲しいのかもしれません。
悟りを開けば戦術は必要ない。その先には各々が目指したい究極のサッカーがあるのだと。

そしてもう一つ特徴的なのが、
「検証」「精査」「徹底」
といった、サラリーマンの報告書のような単語がしばしば出てくること。
知ってはいますが、めちゃくちゃ真面目なんですね。
凄く、もの凄くいい人なんです。けど戦術はない(笑)

東京時代の2010年11月27日の山形戦、こんなことを仰っています。
「コンディションにバラつきがあったように思う。それは予想外だが...

このコメントが予想外です、普通恥ずかしくて言えません

そして2001年の3月10日東京V戦では、
一喜一憂しながらも一試合一試合を戦っていきたい。」

みんな「一喜一憂せずに」ていうんですよ、カッコよく。
でもそんなところがない(笑)

とにかく、知ってはいますが非常に正直ですね。

でも、真面目で正直って、なかなか監督向きとは思えないんですね。
裏をかくのも大事だし、そのために相手にこちらの思惑がバレないようにしなければいけません。
だからこそ、選手の自主性に依存することになるし、だからこその「アイデア」という抽象的な表現も出てきてしまったり。

最後に、大宮時代の2014年3月15日川崎戦後の一節。
これは有名かもしれませんが、らしい言葉でしたね。
「ゾーンがどうとかマークの受け渡しがどうとか、そういうロジックに走るのは良くないと思います。要するに選手にボールを奪う力がないと、ゾーンであろうがマンマークだろうが、そういう事は関係ありません。
フォーメーションとかロジックに逃げないように、これからも選手たちをしっかり鍛えていく事が必要でしょう。ややもすると、戦術論や他人のせいにする者が出てくるので、そこは伝えていきます。」

まあ、言ってる事は分かります。
が、組織を活かすのも個の力なら、個の力を活かすのも組織なわけで。
そこを束ねて一つにするのが戦術だとすれば、そこは軽視しちゃいけない事なんですよね。

改めて色々と見てくると、やはり現代の監督としては限界かなと。
つまらない姿はこれ以上見たくないので(笑)、適所に移ってくれないかと思っています。。
やっぱり何よりも東京のレジェンドなので、良い仕事してるとこを見たいです。